国土交通省の新しい3D都市モデルプロジェクト「PLATEAU」(プラトー)で札幌市の3D都市モデルを見てみた

GIS

3月26日に、国土交通省の新しい3D都市モデルプロジェクト「PLATEAU」(プラトー)に北海道札幌市が追加されたというニュースを見て、早速試してみることにしました。

「PLATEAU」(プラトー)は、ホームページで以下のように紹介されています。

PLATEAU は、国土交通省が進める 3D都市モデル整備・活用・オープンデータ化 のリーディングプロジェクトである。都市活動のプラットフォームデータとして 3D都市モデルを整備し、 そのユースケースを創出。さらにこれをオープンデータとして公開することで、誰もが自由に都市のデータを引き出し、活用できるようになる。

いままで、3D都市データは企業が作成・販売したものが多く、安価・自由に取り扱うことはできませんでした。国土交通省は3D都市データをオープンデータとして公開することで活用を促進し、データを生かしたイノベーションを推進することを目的にこのプロジェクトを進めているようです。

 

PLATEAUの由来

あまり聞きなれない「PLATEAU」(プラトー)はどんな由来があるのでしょうか?

ホームページには以下の通り記載されています。

フランス人哲学者のジル・ドゥルーズと精神分析家フェリックス・ガタリの著書「千のプラトー|Mille Plateaux」では、はじめでも終わりでもない精神の結節点としてプラトー(高原・台地)という言葉が使われている。

プラトーは、一つの頂上を目指す統一的構造ではなく、多様で自律・分散的なシステムが平面的に接続・連続することで強靭性を獲得していく哲学的な実践であるとされている。

今回、国土交通省が創る3D都市モデルは、データの拡張性と連携性の高さにより、あらゆる分野において自律的・分散的・脱中心的価値の結び付きを惹起し、それぞれのプレイヤーが自らを中心にソリューションを思考・実装することが可能な結節点としての機能を有するアーキテクチャである。

3D都市モデルが社会に無数の結節点を提供し、これを契機にあらゆる分野がサイバー空間を介して相互につながり発展していく―― PLATEAUというネーミングには、ドゥルーズとガタリが「千のプラトー」で期待したような、自律的で強靭な世界の発展への期待が込められている。

 

哲学的なキーワードから引用しているようです。

試してみる

それではサイトより、札幌市の3D都市データを見てみようと思います。

PLATEAUウェブサイト

サイトにアクセスし、上のメニューより「PLATEAU VIEW」をクリックします。

PLATEAU VIEW は、PLATEAU のデータをプレビューできる、ブラウザベースのWebアプリケーションだそうです。あらゆる角度からみることができ、空間上にレイヤーを自由に重ねることで様々な検討ができるようです。

 

About PLATEAU VIEWの部分にある「Run in Browser」をクリックします。

 

PLATEAU VIEWが立ち上がるので、「マップのデータを見る」をクリック。

 

データセットを選ぶことができます。

札幌市の建物モデルを取り込んでみます。

 

建物データが表示されました。

 

左側メニューより、「高さによる塗分け」にチェックを付けると、建物高さによる色分け表示となりました。

 

琴似発寒川のL2(想定最大規模)浸水ランクにチェックを付けてみました。

浸水域のランクによる色分けが表示されます。

 

建物にテクスチャを設定する

建物の形状だけが表示されていますが、テクスチャも用意されているようです。

左側メニューより「テクスチャ付き」にチェックを入れてみます。

建物にテクスチャが設定されました。しかし、札幌市全域ではなく一部のようです。

札幌駅から大通りまではテクスチャが表示されました。

 

さっぽろテレビ塔から大通り周辺です。

 

札幌駅周辺です。

 

札幌駅以外では、琴似駅周辺もテクスチャ付で表示されました。

 

拡大してみると、建物の詳細な形状まで再現されています。

これを自由に使うことができれば、様々な検討やシミュレーションに活用できそうです。

オープンデータの使用

実際にオープンデータとして使用するのは、G空間情報センターよりダウンロードするようです。

現時点では、東京都のデータのみあり札幌市のデータは見つけられませんでした。

 

このように「PLATEAU」の3D都市データは精度が高いのにもかかわらず、オープンデータとして提供されるということで、様々なケースで活用されると思います。

私たちの業務での活用方法を検討していこうと思います。

 

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